『悪意のクイーン』 井上 剛
書評じゃないよ記録だよ(^^ゞ
SF作品でデビューされた著者によるミステリー作品。お、本作は徳間文庫さん用に書き下ろされたものなんですね。
帯に「中毒者続出!!」とか「予測不能」とか「大逆転ミステリー」とか書かれており、出版社さんの狙い通りに煽られたのと、タイトルと表紙イラストが美しくマッチしていたことから、本書を手に取りました。
あるママ友コミュニティに属する女性たちの日常が描かれる。仕事と家庭のバランス、育児に関する悩み、ママ友同士の揉め事、私立名門女子高でのヒエラルキー…などなど。語られるエピソードのそこかしこにすっと現れる(潜む)『悪意』が恐ろしい。女性の裏の世界。
「あるある!」とはならないけれど、男の自分からすると「あってもおかしくはないかなぁ」と思える内容でした。本作は別にリアルを描くことが目的ではないと思うので、それでオッケーでしょう!
"事実は小説よりも奇なり"を地でいくような事件がメディアをにぎわす現代では、否定から入るのではなく自分の許容範囲を広げた方が物語を楽しむことができますよー。
読み始めると展開が早くサクサク進みます。文庫本で本編325ページと分量が少ないので短時間で読み終えることができました。
読後感は最悪のいわゆるイヤミスなんですが、僕なんかでも展開が読めちゃったのが残念。おそらく多くの方が具体的な事情はわからなくても犯人?黒幕?が誰かはわかると思います。これまた帯にある「予測不能」ではまったくありません!残念ながら。
ミステリーとして読まない方が楽しめるかも~。ちょっとゾワッとする物語をサラリと読みたい人におすすめします!