『ケモノの城』 誉田哲也 ※バックナンバー:20170627

※今回は警告も兼ねています。

 

実際にあった事件に触発されて書かれた小説。ジャンルはミステリー。ノンフィクションではないため、事実を説明するのではなく描写している。新聞ではなく小説になっていると言えばわかりやすいかな。


ここからが警告!本作は安易に読もうとしないでください。私の数百冊の読書歴の中で初めてです。おもしろくない以外の理由から途中で読むのを止めたくなったのは。
元になったのは当時報道各社が報道の自主規制をしたほどの事件。その内容は残酷非道、残虐無道、残忍酷薄…。そして、それが実際にこの21世紀の日本で起こったという正視に耐えない現実。
私のように何となく読み始めちゃうと後悔することになるでしょう。読む場合は覚悟を決めてください。人間の邪悪さを受け止め抗う覚悟を。そして、人間の理性を信じる覚悟を。

 

【20180122追記】

昨年発覚した神奈川県座間市死体遺棄事件。アパート室内で10代~20代の女性8人、男性1人の計9人とみられる複数人の遺体が見つかったあの事件が報道されたとき、類似性からかすぐに本作のことを思い出しました。確実に存在する邪悪。どうすれば抗うことができるのか。答えは出ていません。


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