『ぼくのメジャースプーン』 辻村 深月 ※バックナンバー:20171212

引き続きインターンイベントで出会った学生Iくんに紹介してもらった作品を☆
ちなみに繰り返し言うてるインターンイベントは「フクシル」という会社さんのものです!とてもおもしろいイベントですよ(^^)

 

本書はいわゆる異能系と言えるかな。殺人ではないけどとても残虐な事件が起きてしまう。その事件を契機に始まるある能力を持つ男の子の孤独な闘いが描かれます。闘いといってもバトルものじゃないですよ。テーマは"罪と罰"。

 

皆さんは動物の命を奪った人が問われる罪は何か知っていますか?刑法261条、器物損壊(きぶつそんかい)の罪です。刑法上、動物は「物」。どれだけ残虐な行為をしてその結果殺しても、対象が動物であれば、例えばわざと学校のガラスを割ったのと同じ罪に問われるわけです。もちろん具体的な量刑には差がありますけどね。法律を学び、初めてそのことを知ったときは違和感すごかったなぁ。


動物を殺したら器物損壊の罪に問われる。三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料。違和感はあるんだけれど、じゃーその罪に対する適正な罰って何なのか。そして、自分が私的に罰を与えられる能力を持っているとしたら加害者に一体どんな罰を与えるのか、もしくは与えないのか。読者は主人公の男の子と一緒に考えていくことになります。

 

本書で最もすごいと感じたのは、読んでて主人公に感情移入させられること。いい大人である僕が、小学四年生の10歳の男の子に。それってすごくないですか?普通に考えるとかなり難しいと思うんだけど、気付かないうちに感情移入しちゃってましたf(^_^;著者の文章の力はやっぱりすごいですね。感服。

 

最後に、僕にとっての加点事由を1つ☆なんと直前に読んだ同じ著者の『子どもたちは夜と遊ぶ』のあの娘やあいつ、あの人と本書で再会できたんです!実はIくんから聞かされていたオススメポイントはここ♪続編ではないけれど、共通の登場人物が出てきたり、他作品の事件が深められたり、作品同士がつながっているんです(^^)サプラ~イズ♪旧友と再会したかのような感覚と言うと大袈裟だけど、ある種の懐かしさを感じました。色々あったけど元気でよかった的な。こういうの好き(´ω`)


Iくんのオススメはもう一作品(上下巻)あります☆続けていくよん♪


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