『営繕かるかや怪異譚』小野 不由美(おの ふゆみ)

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城下町にある古い家々にまつわる六つの怪異。建物の修繕を業とする"営繕かるかや"を営む青年が解決へと導く。その方法は怪異を祓うのではなく、うまく共存する術を提案すること。

やはり著者の作品は「ホラー」というより「怪談」という方がしっくりくる。

 

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『月光』誉田 哲也(ほんだ てつや)

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テーマは"赦し"。聖母のような女性から無条件の赦しを得たい。自分本位な男の願望。それが僕の中にも存在することを突き付けられ精神を削られた。暴力的な性描写に注意。

ラストは抑えきれず涙が頬を伝った。今後ベートーベンの『月光』を聴いたなら彼女らを思い出すだろう。

 

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『えじきしょんを呼んではいけない』最東 対地(さいとう たいち)

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突然現れた正体不明の怪物"えじきしょん"!追い付かれたら跡形もなく溶かされるぞ!逃げろ!って作品。洋物パニックホラーのような雰囲気でジャパニーズホラー特有の湿り気はほぼない。

現代ならではの恐怖。今20歳前後の人が最も撃ち込まれるか。

 

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『などらきの首』 澤村 伊智(さわむら いち)

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『ぼぎわんが、来る』の比嘉姉妹シリーズ最新作!6つの話からなる短編集で、既出の魅力的なキャラが多数登場する。

一番ぽいのは表題作『などらきの首』。鳥肌ぶわっ。個人的にベストなのは『学校は死の匂い』。あの娘が主役。

このシリーズは発刊順に読む方がいい。

 

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『悪いものが、来ませんように』 芦沢 央(あしざわ よう)

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視点人物は女性二人。合間に二人の縁者の証言が挟まれる。

読むうちに少しずつ違和感が積み重なり、大きくなっていく…その正体は何なのか。

読む人を選ぶがハマれば抜け出せない。最後のエピローグでは感情が揺さぶられ頬が濡れた。大きな愛の物語。

 

『悪いものが、来ませんように』

 

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『首無館の殺人』 月原 渉(つきはら わたる)

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舞台は明治の資産家一族が住む館。タイトルから殺人が起こることとその態様は推測することができるだろう。

ミステリではなく推理小説と表現したくなるタイトルと表紙。漫画を読んでいるような感覚で一気に最後まで到達した。その意味は読めばおわかりいただけるはず。

 

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『幻夏』 太田 愛(おおた あい)

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前作『犯罪者』のあの3人にまた会える!! 全てが輝いていた12歳の夏。あの夏がずっと続けばよかったのに…

23年前の事件がノスタルジックな情景と共に綴られ、現在とリンクしながら悲哀に満ちた物語が展開されていく。

読了後に表紙を見ると彼のことを思わずにはいられない。

 

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