『火星に住むつもりかい?』 伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)

書評じゃないよ記録だよ(^^ゞ

 

 

 今回は安定感バツグン!伊坂幸太郎(いさかこうたろう)さんのいわゆるディストピア小説『火星に住むつもりかい?』です!!!

 タイトルを見てSF小説?って思ったそこのあなた!全然違いますよ!でも、安心してください。僕もそうでしたから(;゚Д゚)

 

【読むきっかけ(^^ゞ】

 大学時代の友人との会食で初めて訪れたある商業施設。そこの中の本屋さんに何気なく入ったら、文庫本の新刊のところに本作が山のように積んであるじゃあーりませんか!それ見てソッコーで購入を決めました♪安定感バツグンの伊坂さんの作品はひとまず押さえているのです(^^)d

 

【ネタバレなしの内容(^^ゞ】

 舞台はテロへの対策を目的とする「平和警察」という名の機関が新設され、絶大な権力をふるっている近未来の日本。毎年「安全地区」を指定し、そこの住人に互いに監視させ危険人物だと疑われる人を密告させるというシステムが組まれている。密告により連行された人は平和警察による取り調べ(というより拷問そのもの)を受け、自分は危険人物であるとの自白に追い込まれ、最終的には公開処刑されることになる。一度連行されたら生きて帰った人はいない。たとえ無実であったとしても。

 このようなまさにディストピアユートピア=理想郷の正反対の社会)といえる状況の中で、ある日突然平和警察に捕らえられた人たちの一部だけを助ける正義の味方が登場する。一方でこの正義の味方の正体を探るべく、警察組織に身を置きながらも平和警察とは異なる考えを持つ特別捜査官が警察庁から派遣されてくる。月日が経つにつれ住人をも巻き込んで次第に激しさを増していく平和警察、特別捜査官と正義の味方の対決は、果たしていかなる結末を迎えるのか。

 

【感想(^^ゞ】

 テーマがテーマだけに終始重たく暗い雰囲気で、読了後の爽快感も少ない。そういう意味では他の伊坂作品とは少し異なる作品と言えるだろう。

 恐ろしいことに、ある人についてひとたび平和警察から危険人物だとの発表があれば、自分が直接その人と接して抱いていた印象よりも平和警察の発表の方を信じてしまう。本作の内容ほどではないにしても、日常の生活の中で思い当たる節はありませんか?あまり親しくないけれど特別悪い印象は持っていなかった人について、よくない噂話を耳にしたら「えー意外!そんな風には見えないのにねー!」とか何とか言ってすんなり信じてしまうみたいなこと。改めて考えるとそれってすごく怖い話だなと思いました。

 魅力的な登場人物が多く出てくるのは他の伊坂作品と同様です。中でも個人的には正義の味方がとても好み。格好や能力はユニークでかっこいいし、詳述はしませんが正義の味方として活動する動機もGood!この正義の味方の持つ考えや行動を通して、読者は幾度となく「正義」というものについて考えさせられることになるはず。この点がいいんですよね。

 ちなみに本書の巻末解説はアーティストのぼくのりりっくのぼうよみさんが担当されているんですけど、これはぜひとも読んでほしい!前述の通り本作を読み進める過程で「正義」というものについて何度も考えさせられるので、本編を読み終える頃には自分なりの解答を見つけているはずです。でもこの解説を読むと新たな視点を入れられちゃう。その結果、最後にもう一度「正義」について考えることになります。巻末解説として最高の役割を果たしてくれるので、本編以外は読まないよって人も本書については巻末解説も読んでくださいませ(・∀・)

 

【おすすめしたい人(^^ゞ】

  • ディストピア小説が好きな人
  • ヒーローの中でもヴィジランテ(自警)ヒーローが好きな人
  • これまでに伊坂幸太郎さんの作品を一つでも読んだことがある人(本作が初めての伊坂作品ってのはあまりおすすめしません)
  • ぼくのりりっくのぼうよみさんが好きな人

 

【関連情報(^^ゞ】

 同じ著者の作品の中で、本作と同じく公権力の暴走を取り扱った作品として『ゴールデンスランバー』があります。が、読む時期を逸したため未読なのだ(-_-;)

 ちなみに、数ある伊坂作品の中でも新婚旅行のときに持っていって南国リゾートで読了した『砂漠』と『グラスホッパー』が個人的にはお気に入りです(´ω`)

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました☆

今後もマイペースに更新していきますのでよければまたご覧ください(^ω^)

よろしくお願いします(^^ゞ


f:id:antwerpen6_dries:20180429124808j:image


f:id:antwerpen6_dries:20180429124817j:image