『テミスの剣(つるぎ)』 中山 七里(なかやま しちり)
書評じゃないよ記録だよ(^^ゞ
今回はどんでん返しの帝王・中山七里(なかやましちり)さんの冤罪をテーマにした社会派ミステリー作品『テミスの剣(つるぎ)』です!!!
テミスとはギリシア神話に出てくる法・掟の女神のこと。右手には剣、左手には秤を携えており、本書によると「剣は力を意味し、秤は正邪を測る正義を意味している」のだそう。ちなみにこのテミスの像には剣を高い位置に掲げているものと、逆に秤を高い位置に掲げているものの二種類がある。
本書内にも出てくる我が国の最高裁判所にあるテミス像はこれだ。
見ておわかりの通り、力を意味する剣を高々と掲げている。このことが表す意味についてのある解釈が、本作を読む上で通して持つべき視点となる。第一章の終わりの方に出てくるので、ちょこっと注意しておいてください。
【読むきっかけ(^^ゞ】
出かけたついでにフラッと立ち寄った本屋さんで、たまたまサイン本が置かれているのを目にして購入しました☆そうです!珍しく内容に惹かれて購入したわけではないのです(>_<)そのような事情もあって買ったはいいけどまったく読まずに放置していた結果、最近まで一年間以上いわゆる積み本になっていました(^^;)4月に入り新しい年度も始まったところで、このまま何年も未読のままでいっちゃうのではないかと焦り、意を決して読むことにしました!
ちなみに著者のサインはこんな感じ(≧▽≦)うれしいですよね♪
【ネタバレなしの内容(^^ゞ】
冒頭部分にも書いた通り本作のテーマは冤罪。冤罪とは、罪がないのに罰せられることをいう。いわゆる無実の罪というやつです。
刑事の渡瀬はある事件の捜査をきっかけに、自分がまだ若手のときに捜査に関わり最終的に死刑判決が出された事件が冤罪であることに気付く。その受刑者は死刑判決確定後に獄中で自死しており、もはや取り返しがつかない状況の中で渡瀬は自身が属する警察の組織ぐるみの激しい妨害を受けながらも真実を追求するため孤独な闘いに挑んでいく。
冤罪により獄中死した青年の家族の憤激に触れ、もう二度と間違えない、真っ当な刑事になると心に固く誓い、あえて職を辞することなく刑事を続けていた渡瀬であったが、冤罪事件から四半世紀以上もの歳月を経て、ついに真相に到達することになる。
【感想(^^ゞ】
読むきっかけのところに書いたように本作を一年間以上積んだままにしていた自分にチョップしたいです(>_<)
捜査から裁判の流れについて、それぞれが抱える問題点も含めて知識がない人にもわかるように書かれています。供述調書や判決文が実際の形式で載せられていたりして、刑事法系の授業を思い出しました。そーいや刑事裁判のロールプレイで被告人役をやったなー。テーマがテーマだけにとても重たいのですが、実際に我が国で行われてきたことですので知識として入れておくことをおすすめします。他人事ではないと僕は思います。
ちなみに本書の巻末の解説を担当されているのは俳優の谷原章介さん!ちょっと意外。何か関係あるのかな??後述のドラマには出ていないみたいだけど・・・。ご存知の方いらっしゃれば教えてください(^_^)/
【おすすめしたい人(^^ゞ】
- 重めのミステリーが好きな人
- どんでん返しのミステリーが好きな人
- 刑事裁判の傍聴をしたことがある人
- 最高裁判所にあるテミス像を実際に見たことがある人
【関連情報(^^ゞ】
本作は昨年の秋にテレビ東京系列でドラマ化されていたようです!主演は上川隆也さん。見たかったなぁ。再放送を望みます(*'▽')
あと、本作の登場人物が主人公を務める『静おばあちゃんにおまかせ』という連作短編集があるようです!本作より前に発表されてますね。発表順は前後しますが、時系列としては本作の章と章の合間に位置付けられる作品。本作でとても魅力的だった人物が主役なのでこれは必ず読みます(^^)すでに購入しているので読了後にそちらも記録します♪
最後まで読んでいただきありがとうございました☆
今後もマイペースに更新していきますのでよければまたご覧ください(^ω^)
よろしくお願いします(^^ゞ