『神様ゲーム』 麻耶 雄嵩(まや ゆたか)

書評じゃないよ記録だよ(^^ゞ

 

ドラマ化もされた『貴族探偵』の著者によるミステリー。後から知りましたがシリーズものの第一作だそうです。直接関係はないけど、ドラマの『貴族探偵』全部見てたんですよねー。評判イマイチでしたが僕は楽しみましたよ♪続編あるとうれしいな。

さて、話を戻します。本書を手に取ったのは、文庫本で本編214ページと分量がめちゃ少ないことと、猫の表紙イラストがかわいくて目に付いたからです。あ、ちなみに全部読み終えてからだと見え方が少し変わりますよー。ちょっと怖いイラストに見えてきます。

 

本作は、2003年に講談社が創設したミステリーランドというレーベルの一冊として2005年に出版されています。このレーベルのキャッチコピーは「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というもので、本作ももともと児童書として出版されたものなんですって。でもね、正直これ子どもに読ませたくないんですけど~(-_-;)確かに分量と文章は子ども向けだといえると思いますが、内容が色々とアダルトです。出版された当時の空気感はわかりませんが、個人的な意見としては「大人が読みましょう!」です。

 

本ブログはブログタイトルの通り書評じゃないので、毎度のことながら内容について詳述はしません。もちろんネタバレも一切なし!代わりに僕が本作の特徴だと感じた三つのことについて触れておきます。

 

一つ目は章立てについて。

本作の目次は以下の通りです。

 

【目次】

誕生日

神様

犯人

天誅

英樹

英樹

天誅

犯人

神様

誕生日

 

気付かれました??「死」という章を挟んで前半と後半で同じタイトルが並んでるんです。A B C D E F E D C B Aとなっており、そのものではないけど回文みたいなイメージ。同じ著者が同じ作品の中で同じタイトルの物語を書く。当然のことながら内容は全然違います。前半と後半の同じタイトルの物語を意識して読み比べてみてください。

 

二つ目はラスト(オチ)について。

本作はとても読みやすい文章なのでテンポよくサクサク進みます。さすがに子ども向けの作品だなという感じで、「やっぱりこういう展開か~」なんてことを思って読んでました。途中までは。

いやー甘かった!最後の最後で衝撃的な展開が待っています。多くの読者の予測とは異なる結末を提示してそのまま終わっちゃう。「えっ!?」ってなって説明をつけようと考え始めるけど、答えは出ない(わからない)からぐるぐると思考の~繰り返すことになる。著者の狙い通りなんだろうなー。完全にやられました。

 

ラスト三つ目は最も大きな特徴といえるであろうある登場人物について。

それはズバリ、「神様」です!ジー・オー・ディー、GOD!いやいやミステリーでは反則でしょ。だって神様は推理ではなく神様だからという理由だけで犯人もトリックも動機も全部知ってるんですから。普通なら物語になりません。でも、著者は神様を主人公ではなく物語の端の方に置いたことによって見事に成立させています。

この神様という特異な存在が、特徴二つ目にあげたオチのインパクトにも大きな影響を与えています。通常のミステリー小説であれば最高位にある探偵を超える存在を登場させるという手法がとてもおもしろいと感じました!ミステリー好きな人にもあまり読んだことないよって人にもぜひ本作を読んでみてほしいです。

 

本作が好みだったので、続編『さよなら神様』も読もうと思っています。

が、諸般の事情で例年読書量が減っちゃうこれからの時期。すでに購入済みの小説、ビジネス書が5、6冊溜まっていますので、読むのはだいぶ先になりそうです。

読んだらまた記録しますので気長にお待ちくださいませ(^^)


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